「みんなの総意としての祝祭とは」レポート#1:祝祭へつながる「顔ハメ」と「QR」

日時:2020.11.8


祝祭へつながる「顔ハメ」と「QR」

顔ハメパネルとQRコードの両立

猛暑激しい8月18日、チーム佐々木企画「みんなの総意としての祝祭とは」の実地検証が行なわれました。この企画は、南大塚の商店街各地に置かれた「顔ハメパネル」とそこに付されたQRコードを通じて商店街の人々が想像する祝祭の物語へアクセスするもの。この日は、南大塚の天祖神社の目の前の通りで撮影とQRコードの実地検証を行なうことに。

「顔ハメパネル」とそこに付されたQRコードといっても、顔ハメパネルにQRコードを貼り付けるだけで機能するわけではありません。パネルに顔をハメた状態で写真を撮ろうとすると知らず知らずのうちにQRコードが読み取られるような仕組みをつくるためには、精緻な検証が必要なようです。この日はこの企画を考えた佐々木文美さんが検証を先導しました。

当日まずはサンモール大塚商店街振興組合前に集合し、実際にスマホでアクセスさせる映像作品のカメラ テストから開始。現在制作が進んでいる映像は「祝祭」に関するインタビューを南大塚の街の人々に行い、それを元に創作するというもの。真夏の直射日光の中、サングラスと黒マスクをつけて撮影している様子の怪しさに撮影クルー一同苦笑い…。いざ検証を行ない実際に想定される分量のテキストを読んでみると、当初の想定より長尺になってしまうことが発覚。今後の課題がひとつ増えることとなりました。

意外と複雑なQRコード

そして、いよいよQRコードの実験を開始。まずは先ほどのサングラスと黒マスク動画を一旦YouTubeにアップロードし、アップしたURLからQRコードを生成します。

すぐさま撮影クルーのひとりがジュースの使いっ走りとしてコンビニへとダッシュ(…もとい、マルチプリンターで大小様々なQRコードをプリントアウト!)。QRコードのサイズや撮影距離などをみんなで何度も確認し合います。

なかなか最適な設定が見つからずしばらく試行錯誤を続けているうちに、撮影クルーのなかから「スマホのデフォルトのカメラアプリではなく、読み取り専用アプリならもっと上手くいく」との発言が。しかし、ここは気がつかない間に読み込むのが面白いというコンセプトを優先し、デフォルトのカメラアプリで実験を続けます。

「透明シートに印刷しては?」

「色をつけてもいいんじゃないか?」

「QRコードの真ん中になにかマークを入れても面白いのでは?」

「いっそQRコードの真ん中に顔はめとか!」

などなど、試行錯誤をつづけていくなかではさまざまな意見が飛び出します。

数時間に渡る苦闘の末、まずはQRコードがサイズ次第でうまく読み込めることが発覚!検証初日としては課題クリアといえそうです。とにもかくにも、38度の猛暑日の中みなさん、お疲れさまでした!

苦闘の末に生まれた顔ハメパネルは、現在南大塚サンモール商店街の各所に出現中。果たしてQRコードはどうパネルに組み込まれたのか? QRコードの先にはどんな映像が待っているのか? ぜひ現地で新たな「顔ハメ」を体験してみてください。

テキスト・写真:泉山朗土