カーブのその先は。 1 粟島神社

旅人:杉山至

おもったより小さい粟島神社と弁天池。

  • 粟島神社・弁天池妄想スケッチ 谷端川の源泉・粟島神社

    ※画像をクリック/タップして横に送ると、1-2『粟島神社・弁天池妄想スケッチ』が見られます
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旅人より

道が曲がるには訳がある。
地形がそこで変化しているか、
神聖なものや不可侵な何かがあり真っ直ぐ進めない理由がある。

また古い道は必ずといって良いほど緩やかにカーブしている。
けもの道のように身体を自然に運べる歩きやすい流れがそこにはある。

豊島区は谷端川の川端に沿って発展してきた。椎名町の長崎神社、大塚の天祖神社、池袋本町の氷川神社等を軸に街が広がる。点在する古い神社の山の端をなぞるように谷端川はカーブを描く。わずかな地形の変化と方位を読み解き古人はそこを神聖な場所としたのだろう。

豊島区を旅する中で今は暗渠の谷端川を可視化したいと思いカーブに注目した。
豊島を育んできた谷端川のまぼろしの景が少しでも立ち上がればと思います。

1-1『谷端川の源泉・粟島神社』
豊島を育んできた谷端川の源泉。弁天池があり水はそこから湧き出ている。
弁天さまは水と縁が深くまた芸能の神様でもある。
豊島を知るにはまずこのみなもとを訪ねたい。

1-2『粟島神社・弁天池妄想スケッチ』
早秋の夕刻の粟島神社と弁天池の妄想スケッチ。
武蔵野が遠くまで広がって、空気が凛としている。秋祭りはもう終わったあとだろうか。

 

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旅人プロフィール

Photo:Ryosuke Kikuchi

杉山至 すぎやま・いたる

舞台美術家。国際基督教大学在学中より劇団青年団に参加。2001年度文化庁芸術家在外研修員としてイタリアに滞在。演劇、ダンス、ミュージカル、オペラまで、ジャンルを問わず幅広く活躍。舞台美術ワークショップや劇場のリノベーションも手がけている。カイロ国際演劇祭ベストセノグラフィーアワード2006、読売演劇大賞最優秀スタッフ賞(14)受賞。